もいっちょ立ち読み

稲田朋美の新著『百人斬り裁判から南京へ』(文春新書)、まずタイトルがわかったようなわからんような、イメージ的にはなんとなくそれっぽいけどよく考えてみたらどういう具合に百人斬り裁判「から」南京なのか、意味不明ですな。で、要するに「百人斬りは無かった」ってだけ。「百人斬り」というのが戦中に報道された通りの出来事を指すのであればそんなことはわざわざ本一冊書くまでもなく明らかなわけで。被告だって報道された通りの百人斬りはあった、なんて主張はしていないんだから。敗訴した後もこんなことしか書けないというのは、要するにおよそ勝ち目のない裁判に遺族たちを巻き込んだ者たちの責任は重い、ってことですな。もっとも、南京事件研究には大きく貢献した(原告の意図とは反対の意味で)訴訟ですけど。


もし、心の底から「国際的な南京事件キャンペーンにこれまた国際的に対抗する」ことを考えている人間がいるのだとすると、まずやるべきは愚にもつかない否定論を垂れ流す人材を一掃することじゃないかな。慰安婦問題の教訓を汲んで。ここ掲示板だって、すごいことになってますよ。