『倉富勇三郎日記』刊行開始

以前にちらっとだけ言及したことがある、倉富勇三郎(朝鮮総督府司法部長官、法制局長官、宮内省御用掛、枢密院副議長・議長などを歴任したエリート官僚)の日記が国書刊行会から刊行され先月第1巻の配本が始まったことを昨日の新聞広告で知る。全9巻、年1冊の配本予定とのことでほぼ10年がかりのプロジェクトということになる。編纂は「倉富勇三郎日記研究会(代表・永井和)。倉富勇三郎は1934年には引退して郷里に帰ってしまうので、日中戦争以降を主たる守備範囲にしている当ブログでは倉富日記に依拠した研究に言及する機会がほとんどなかったわけだが、当ブログで言及したことのあるトピックとしては張作霖爆殺事件とそれに関連した田中義一内閣総辞職について、彼の日記が史料の一つとなっている*1

*1:私が読んだものとしては『青年君主昭和天皇と元老西園寺』(永井和、京都大学学術出版会)、『昭和天皇立憲君主制の崩壊』(伊藤之雄名古屋大学出版会)など。