2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『文藝春秋』2006年9月号

日中戦争、太平洋戦争に関連する記事は以下の通り(連載をのぞく)。 半藤一利/秦郁彦/保阪正康、「徹底検証 昭和天皇「靖国メモ」未公開部分の核心 富坂總、「中国が仕掛ける遊就館戦争」 保阪正康連続対談、「昭和の戦争 七つの真実 ―あの戦争から何を学…

書こうかどうか、書くとしてどう書くか迷ったのだが…

「木走日記」の「日本国民に告ぐ。日本男児の血の叫びを聞け。〜「百人斬り競争」野田元少尉の手記」。迷った、というのは第一に煙さんとswan_slabさんが的確なエントリを書いておられるからであり、第二に「百人斬り」の両少尉をこれ以上話題にすることに意…

基本的な事実を無視して語られる南京事件

この問題についてはすでに青狐さんが「概説書を読まずに南京大虐殺はありえないと言い出す現象」として注目しておられるが、それにしても南京事件に関するネット上の発言に見られる事実誤認、事実の無視はちょっと度を過ぎているのではないか。 まずは青狐さ…

二重被爆

asahi.comの記事より。 なぜ原爆は2度落とされたのか 「二重被爆」国連で上映 2006年08月04日11時04分 広島、長崎の双方で被爆した人たちに焦点を当て、なぜ2度も原爆は投下されたのかと問いかける日本のドキュメンタリー映画「二重被爆」が3日、ニューヨ…

『戦史叢書』と映画『東京裁判』における南京事件

防衛庁防衛研修所戦史室の編纂になる『戦史叢書』の一巻、『支那事変 陸軍作戦 昭和十三年一月まで』(朝雲新聞社)を古書店で入手した。この手の本は借りるものにして買うものにあらず…というのが相場である。なんせ全部で102巻だから。しかし函無しのもの…

「命令」という観点からみた南京事件

コメント欄が「打ち止め」に到達した某所には、後半になるとホロコースト否定論で有名な「命令書の不在」論法*1が出てきたことはすでにご報告したとおり。南京攻略戦の展開についてある程度の知識があれば「命令書」なんてはなしにはそもそもなりようがない…

イラク駐留米兵の強姦殺人容疑

もう1ヶ月も前のニュースなのだが、つい言及しそびれていたので。 イラク駐留の5米兵、強姦殺人か 家族ら4人犠牲 asahi.com 2006年07月01日10時23分 イラク駐留の米兵たちが今年3月、同国中部の民家で女性を強姦(ごうかん)したうえ、その女性を含む家族…

14万人と7万人、30万人と…

アメリカには教科書検定がないので、広島への原爆投下がどのように教えられているかを一概に語ることは困難だが、立ち読みした(すんません)『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』*1で紹介されている一冊は犠牲者数を7万人としている。『戦争の教え方』*2が…

『中国行軍 徒歩6500キロ』*2

旧軍兵士や将校が書いた戦記、回想録というのは読み物としてはともかく、史料としては専門家のフィルターを通さないかぎり、素人には扱いにくいものである。意図的な嘘や隠蔽がないとしても記憶違い・勘違いといったことはあり得るからだ。古本屋で見つけた…

南京事件否定論と本質主義

南京事件否定論者の主張を読んでいてしばしば巡りあうのが、事件=あった派に対する「そんなに日本人を貶めたいのか」「われわれの先祖は鬼畜だったというのか」といった類いの非難である。私のような素人が改めて南京事件について調べ直すようになり、余暇…

お返しに

青狐(bluefox014)さんが最近私が書いたエントリを3つ紹介してくださっているので、こちらは青狐さんのかなり前のエントリをばご紹介。日本軍は、南京で一発の銃弾も打つ正当な理由がないはず もはや首都ではなかった南京もちろんコメント欄も興味深い。 さ…

南京事件否定論の背景と日本政府の不作為

さすがに、人数を明記して「旅団命令で捕虜を殺した」と書いてある戦闘詳報の存在を前にしても否認し続ける人びとを相手にするのは疲れてきたが、ぼちぼち私なりのまとめをば。なにが南京事件否定論を育てる温床になっているのか? まず第一に、南京事件のス…

これまでに本館で南京事件・旧日本軍・戦争犯罪関連の文献について書いたエントリのリスト。

黒野耐、『参謀本部と陸軍大学校』、講談社現代新書 デーヴ・グロスマン、『戦争における「人殺し」の心理学』、ちくま学芸文庫 松本仁一、『カラシニコフ』、朝日新聞社 高橋哲哉、『靖国問題』、ちくま新書 藤原彰、『餓死(うえじに)した英霊たち』、青…