2014-01-01から1年間の記事一覧

D-Day 70周年番組を見た

先週は NHK の BS で D-Day 関係の番組を4日連続で放送していたのだが、初日のイギリス BBC 制作の『D-Day 壮絶なる戦い(前編)』では、1942年8月の「ディエップの戦い」を取り上げていた。反攻を目論む英加軍が北フランスの港町ディエップに上陸作戦を敢…

92年当時のアメリカメディアの反応

92年7月21日の『朝日新聞』朝刊「論壇」欄に、当時米バージニア州在住だったジャーナリスト、有馬佳子氏が寄稿していて、当時のアメリカメディアの「慰安婦」問題についての反応を伝えている。 アトランタ・コンスティチューション紙(一月一六日)は、本件…

「ドキュメンタリースペシャル 日朝遺骨」

ABCテレビ 5月30日(29日深夜) 3:11 〜 4:06 「ドキュメンタリースペシャル 日朝遺骨」 日本と北朝鮮両国に眠る遺骨がある。戦中戦後に祖国に還ることができなかったものだ。3年前から朝日放送はこの問題に取り組み、去年平壌で東京に父親の遺骨を残す北朝…

産経、堂々の「歪曲拡散」宣言

msn産経ニュース 2014.5.24 「米バージニア州に新たに「慰安婦」碑が完成 史実の歪曲拡散に拍車」 天に唾するかのような見出しですが、案の定この記事は次のように結ばれています。 日本は慰安婦に対する強制性の否定をはじめ、史実の誤認と歪曲を是正する努…

「ホロコーストをどう読むか」

ロバート・イーグルストン(聞き手:鵜飼哲)、「ホロコーストをどう読むか―『ホロコーストとポストモダン』をめぐって」、『みすず』、2013年12月号 『ホロコーストとポストモダン』、『ポストモダニズムとホロコーストの否定』などの邦訳書があるR・イーグ…

無理解の極北

http://www.news-postseven.com/archives/20140505_251753.html とにかくゲスいので記事のタイトルすら引用したくありませんが、上記のヘイト記事について、です。 (……)そもそも、「慰安婦」と「韓国軍の蛮行」とは全く次元が異なる問題だ。慰安婦や慰安所…

「ほがらかな話であります」

早川タダノリ氏の『「愛国」の技法: 神国日本の愛のかたち』(青弓社)の、鹿児島市草牟田尋常小学校の副教材をとりあげた項の写真キャプションに、同書で「百人斬り」が「血わき、肉をどるやうな、ほがらかな話であります」と紹介されているとの指摘があっ…

「問われる戦後補償」(93年11月)

scopedog さんが92年8月14日に NHK で放送された「調査報告 アジアからの訴え〜問われる日本の戦後処理〜」を紹介されておられるので、私は93年11月13日、14日に『朝日新聞』朝刊に掲載された「問われる戦後補償(上)(下)」を紹介しようと思います。 13日…

「修正」しないことが歴史修正主義になることもある

window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = window.twttr || {}; if (d.getElementById(id)) return t; js = d.createElement(s); js.id = id; js.src = "https://platform.twitter.com/widgets.js"; fjs.paren…

「強姦防止対策」論をめぐって

すでにはてブやツイッターでいろんな方が言及されていた記事です。 カナコロ 2014.04.20 「相模原の男性が語り続ける 慰安婦への加害の記憶」 旧日本軍が「慰安所」制度を創設した主観的動機の一つとして「将兵による強姦の防止」があることを以て(同時に、…

またヌケヌケと嘘を

西日本新聞 2014年04月19日 韓国、安倍首相の慰安婦発言批判 強制連行めぐり 【ソウル共同】安倍晋三首相は18日までに米誌タイム(電子版)のインタビューに応じ、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり「政府が発見した資料の中には、強制連行を直接示す記述…

「おんな坂本龍馬と呼んで下さい!」

少し前に、グレンデール市まで出かけて二次加害にいそしんできた歴史修正主義者二人が日本外国特派員協会で記者会見を行いました。 https://www.youtube.com/watch?v=LfL8f571hCU 二人のうち辻村ともこ狛江市議について掲示板でホドロフスキさんにご教示いた…

「軍資金で強制連行もみ消し」証言の聴取者は豊田隈雄・元海軍大佐

先日林博史・関東学院大学教授が公表した三警事件関連資料のコピーの一部をみることができたのですが、元海軍兵曹長の「もみ消し」証言を聴取していたのは豊田隈雄・元海軍大佐であったことがわかりました。敗戦後に戦犯裁判対策に関わった人物で、法務省の…

URL更新

下記エントリで言及している質問主意書と答弁書のうち衆議院のものはURLが変更になっているようです。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20131104/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20131105/p1 新しいURLを以下にリストアップしておきます。 ・第166回国会(20…

前エントリへの補足

「公娼制は当時においては当たり前のことだったんだから、慰安所を作って何が悪い?」論者たる右派こそが、1991年までの日本政府をだれよりも批判しなきゃならないんですよ。だって、彼らによれば旧日本軍「慰安所」にはなにひとつ問題はなかったわけでしょ…

右派は恨む相手を間違えている

「日本は慰安婦問題で世界から誤解されている」「誤解されたのは吉田清治/朝日新聞/韓国ロビーのせいだ」という右派の認識そのものが「誤解」であることはいまさらいうまでもありませんが、ひとまず「誤解されている」という仮定を受け容れてみることにし…

カミングアウトした元「慰安婦」の未成年率

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター編の『「慰安婦」バッシングを越えて』(大月書店、2013年)の巻末資料2は、これまでに名乗り出た軍「慰安所」制度被害者の概要をリスト化した「各国別『慰安婦』連行状況」というデータですが、「連行方…

とんでもない勘違いをしている人々

戦時中の売春強要(というよりむしろ端的に「組織的強姦」と呼ぶべきでしょうが)を敗戦後にもみ消すために軍の資金が使われていたことを示す史料の発見を伝えるニュースに、えらく勘違いをしたブコメをつけている人々がいます。 http://b.hatena.ne.jp/entr…

「68年越しの卒業式」

去る3月16日(17日未明)に放送された NNN ドキュメント '14 の「68年越しの卒業式」を観ました。これ、2006年から取材を続けてたんですね。下記の内容紹介からもある程度うかがえる通り、元生徒らの思いの多様性もきちんと捉えられていました。こうして時間…

「台湾は親日」教徒、涙目

「慰安婦問題 台湾外交部「日本は謝罪と賠償を」」 (台北 18日 中央社)中華民国外交部の高安報道官は18日、旧日本軍の従軍慰安婦問題について日本側に対し、台湾の元慰安婦への謝罪と賠償を求めるという政府の一貫した立場を改めて示した。 2008年に台湾立…

米 Microsoft に産経との提携につき問題提起しては?

というご提案を uchya_x さんからいただいております。最初のステップは資料として提示すべき悪質な記事のリストアップになります。「ちょっとひどい」くらいの記事ならもう限りがないので極めつけにひどいもの、をです。アメリカでの関心から考えて歴史修正…

わざわざ韓国に行って「日本=歴史修正主義」というイメージを強化する自称ジャーナリスト

名が体を表していない月刊誌『正論』の3月号に載っていた記事の一部が msn産経ニュースのサイトに転載されていたのですが、これがまたなんともひどい代物です。 突撃取材 韓国・慰安婦暴走政策の司令塔「女性家族省」 物語もさる事ながら、漫画の絵も素人レ…

「公文書は焼いたので存在しない、ゆえに証言に裏付けはない」とか言いだしそうな予感

河野談話発表までに政府が行なった元「慰安婦」への聴き取り調査を「検証」するなどという愚行を日本の極右勢力が煽動/先導し、この社会のマジョリティは唯々諾々とそれに従っているわけですが、彼女たちの証言の「裏付け」をとるのにまずもって必要なもの…

企画展「本土決戦と秘密戦」

コメント欄でとらこぞうさんから情報提供いただいた件です。 明治大学平和教育登戸研究所資料館 第4回企画展「本土決戦と秘密戦 ―その時登戸研究所は何をしていたか―」 2013年11月20日(水)〜2014年3月29日(土) 休刊日その他の情報はリンク先をご覧下さい。 …

放送予定:「自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官」

今晩深夜に放送の NNNドキュメント'14 は55分枠で「自衛隊の闇 不正を暴いた現役自衛官」というタイトルです。 所属する組織の不正を知ってしまった男が、正義の遂行のため立ち上がった。いじめによる隊員の自殺で自衛隊の責任が問われている裁判。かつて訴…

「河野談話さえ葬り去れば大勝利」脳の恐怖

河野談話発表に至るまでの日本政府による調査が不十分なものでしかなかったことは、私などもかねてから指摘してきたことです(例えばこれ)。そしてその後の研究者や市民団体による調査は河野談話の根拠を揺るがすどころか、より確かなものとしてきました。 …

アメリカとの戦争すら忘れているのでは?

この社会のアジア太平洋戦争についての記憶が対米戦のそれに偏していることはたびたびこのブログで話題にしてきましたが、どうもいまの日本の右派は「日本がアメリカと戦争した」ことすら忘れているのではないか、と思えてきました。 ウォール・ストリート・…

『戦史叢書』の「バターン死の行進」免罪論

以前に戦史叢書シリーズの『比島攻略作戦』の巻を古書店で入手していたので(函なし、付属地図なしだと安く買えるもので)、そこでは「バターン死の行進」についてどのような弁明がはかられていたかをざっとご紹介しておきます。 第8章「バタアン半島の攻略…

さてでは笹幸恵氏はなにを「意図」したのか?(旧ブログから転載)

(06年2月22日に旧ブログにアップした記事。ゆうさんの記事に触発されて転載しておくことにしました。当時の文脈に依存した部分もありますが、あえて補足などはしておりません。) 笹幸恵、「「バターン死の行進」女一人で踏破」、『文藝春秋』、2005年12月…

「歴史家」の大安売り

「米歴史家が 慰安婦=性奴隷宣伝の嘘を告発『これは歴史に対する冒涜です!』」という動画を見かけたので「こもりんお気に入りのケヴィン・ドークみたいな奴を見つけてきたのかな?」と思って調べてみたんですが……。こんな人だそうです。 マックス・フォン・…