南京事件

ユネスコに申請された「南京大虐殺」記録に関する解説

現在発売中の『世界』(岩波書店)2016年1月号で、笠原十九司さんによる「国際社会に歴史修正主義は通用しない ユネスコ世界記憶遺産登録の実相」が掲載されています。中国が登録申請(厳密には「申請」ではなく「推薦」とすべきとのこと)した資料のリスト…

戦後70年目の12月13日はあらたな“国恥”記念日

私自身は南京事件を問題にする際に、特に12月13日という日付にこだわるつもりはありません。「12月13日」というのが南京城内にいた人々の認識を反映したものであって、虐殺全体の広がりを認識するうえでは妨げにもなりかねないからです。ただ、メディア的に…

ネット配信、シンポジウムのお知らせ

コメント欄で L さんが告知してくださっていますが、明日12月9日の午後8時より「レイバーネットTV」が小野賢二さんを招いて「福島歩兵65連隊と南京大虐殺」という特集を配信します。 http://www.labornetjp.org/tv また12月12日には、やはり小野賢二さんを招…

「『南京事件』とは何か 3論客の見方相互検証」

さる11月12日にBSフジの番組「プライムニュース」で南京事件が特集されていました。 (テキストアーカイブ)『南京事件』とは何か 3論客の見方相互検証 番組サイドの酷さは次の3点によく現れてます。まず冒頭でキャスターが「非常に有力な3つの学説をみなさ…

『南京の実相』関連エントリ

ふぇみにすとの論考 日本の右派の英語発信の歴史についてのメモ 上記エントリで紹介されている書籍のうち、『南京の実相―国際連盟は「南京2万人虐殺」すら認めなかった』に関しては当ブログもリアルタイムで追いかけておりました。関連エントリは以下のとお…

佐藤正久を情報源にしちゃう“メディア・リテラシー自慢”

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20151016/1444988517 産経新聞の勇ましい()「歴史戦」記事でも、申請の審査を担当するのがユネスコの国際諮問委員会(IAC)であることは明らかにされているわけです。ところがこのブログ主はなにを勘違いしたのか、「アジ…

だから(以下略)

日本側がシベリア抑留に関する文書を登録させていたことを先日のエントリでも指摘しておきましたが、ほとんど完璧なタイミングでロシアが口を出してきましたね。「歴史戦」の文字も勇ましい産経新聞の記事より。 http://www.sankei.com/world/news/151015/wo…

だから言わんこっちゃない

よりにもよってシベリア抑留という被害体験に関わる資料を登録申請し認められたまさにその時に、南京大虐殺関連の資料の記憶遺産登録で政府が公式にクレームつける(与党のウヨ議員が噴きあがるならともかく)という厚かましさには、さすがに呆れ果てますね…

NNN ドキュメントほか

本日深夜(5日未明)1時10分から日テレ系列で放送される NNN ドキュメント '15 で小野賢二さんの調査活動が紹介されます。「ネットでの告知は当日になってからにしてくれ」と言われていたのですが、おそらくそれと同じ趣旨でしょう、現時点で番組公式サイト…

こんなのが幹部に昇進できる組織を信用しろといわれても無理な話

JBPress 2015.9.14 「米国が裏で糸を引いていた南京大虐殺という捏造」 内容的にはこれっぽっちも新味のない否定論の断片をアドホックにかき集めただけのクソ駄文ですが、問題はその書き手です。第7師団長を経て最終的に西部方面総監にまでなっています。田…

生きて虜囚の辱めを……

すでに指摘されておられる方もおられましたが、当ブログのレゾン・デートルを考えればやはりひとこと言っておかねば。 時事ドットコム 2015/07/01 「後方支援時の拘束「捕虜に当たらず」=岸田外相」 岸田文雄外相は1日の衆院平和安全法制特別委員会で、海…

産経新聞によればカチンの森の虐殺は存在しなかった

このところあまり使う機会がなかったタグです。調べてみたら昨年は3回しか使ってなかったんですね。 http://www.sankei.com/premium/news/150215/prm1502150031-n1.html ツッコミどころしかないヨタ記事です。「無抵抗の民間人を殺すのが虐殺」などとオレ様…

右派論壇人における“勝利の方程式”

日頃の行いが悪い(?)せいで Youtube にアクセスするとチャンネル桜の動画などが頻繁にお勧めされてしまうのですが、今日は「【水間政憲】南京大虐殺陥落!本多勝一、写真捏造を認める![桜H26/9/18]」というタイトルが目についたので再生してみました。 h…

「誰も教えてくれなかった」からといってデタラメを喋る権利が発生するわけではない

ホドロフスキさんからの情報提供によるエントリです。 TBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」の6月11日放送分「ニュースランキング」にコメンテーターとして登場した古市“誰も戦争を教えてくれなかった”憲寿。ランキングの3位、「中国。従軍慰安婦に関する…

「ほがらかな話であります」

早川タダノリ氏の『「愛国」の技法: 神国日本の愛のかたち』(青弓社)の、鹿児島市草牟田尋常小学校の副教材をとりあげた項の写真キャプションに、同書で「百人斬り」が「血わき、肉をどるやうな、ほがらかな話であります」と紹介されているとの指摘があっ…

南京事件生存者証言集会・関西

2013年12月8日13時半〜 「消してはならない!加害の歴史」 大阪市立難波市民学習センター4F講堂 証言者:王津さん 主催:南京大虐殺60ヶ年大阪実行委員会 http://mainichi.jp/area/osaka/news/m20131207ddlk27040403000c.html 2013年12月10日18時半〜 「…

『南京の真実』第2部は来春公開予定だそうで

掲示板にてホドロフスキさんからご教示いただいた情報。 http://www.youtube.com/watch?v=HNm9qf1Blok しかし公式サイトとスタッフブログの方にはいまだ第2部の公開予定についての情報はありません。 http://www.nankinnoshinjitsu.com/ http://www.nankinno…

21日放送「報道特集」、「日中戦争 衝撃写真が語る“軍事作戦”」

昨日のエントリで告知した番組、録画しておいたのを見ました。(23日の午後11時からCSで再放送されます。) http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20130814/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20130921/p1 問題の写真については、東京都写真美術館の専門調査員を登場…

いまになってもまだ「捏造写真」論

自分の所行を棚に上げて在特会らを批判した『SAPIO』ですが、8月号は「歴史修正主義特集号」とでもいうべき内容で、その一部が「NEWSポストセブン」に転載されています。 2013.08.09 「南京大虐殺“決定的証拠写真” 全てがおそらく合成かヤラセ」 この手の論…

捕虜殺害の連続写真、発見

今日8月14日の毎日新聞(大阪本社)朝刊、社会面に「「抗日掃討」の記録写真 上海近郊旧日本軍が撮影 46枚発見」という見出しの記事が掲載されています。「土匪の掃討」として上海近郊の村、銭家草を襲撃した際のもようを軍の写真班が撮影したものを、写真班…

「証拠を出せ? 出したらちゃんと自分の目で見るんだろうな?」その4

「戦争体験記・部隊史にみる日本軍「慰安婦」」シリーズの紹介を一回休んで、今回は「アジア歴史センター」でオンライン閲覧できる史料から。このブログで既に言及したことのあるものですが、なんせ7年も前のことですので。 「アジア歴史センター」にはイン…

「証拠を出せ? 出したらちゃんと自分の目で見るんだろうな?」その1

一週間ほど前に、私のツイッターアカウントあてにネトウヨが「南京虐殺の証が有れば教えてくれる?」などとメンションを送ってきたので、定番の資料集リストを第一弾として提示したうえで「全部読み終わったらまた連絡ください。続きを教えます」と返答した…

秦氏の論法について私もひとこと

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130417/1366223210 scopedog さんのエントリをふまえて。 中公新書の『南京事件』における秦氏の犠牲者数推定は、その推定手法から判断する限り、蓋然性と不法性が相当に高いケースに絞るという方針でなされているものと言…

1937年の神戸新聞より

以前に「百人斬り」について勉強する過程で1937年秋〜38年初春の地元紙を調べてみたことがあるのですが、今回はいわば「お蔵出し」として当時複写した記事からいくつかご紹介します。なお、日本軍将兵が敵兵を○人斬った、といった報道は珍しくなく、またすで…

歴史修正主義者への最初のテスト

このところ、またしても「とっくの昔に論破され破綻されたはなしを歴史修正主義者が蒸し返す」という光景が目につくようになりました。なにしろ首相が歴史修正主義者ですからね。連中が活気づくのはわかります。でも相変わらず勉強してないんですね。しかも…

念の為

毎日jp 2013年01月20日 「今週の本棚:加藤陽子・評 『蒋介石の外交戦略と日中戦争』=家近亮子・著」 上記の書評に次のような一節を見かけて、南京事件否定論に利用しようと目論むやつがいるかも、などと思ってしまいました。「使えるものならなんでも使う」…

虐殺の開始時期について

今日、12月13日に南京市で75周年という節目の追悼式典が行なわれていることが日本のメディアでも小さく報じられていますが、相も変わらず「時間と場所を拡げて人数を水増ししようとしている」という妄言を繰り返す人がいるので、2年前のエントリをリマインド…

まだまだ続く否定論ビジネス

現在展転社は『「南京虐殺」への大疑問』の著者、松村俊夫とともに夏淑琴さんと日本の法廷で争っている最中なのですが(その背景についてはこちらをご参照ください)、懲りもせずにこんな本を出しています。 南京「大虐殺」被害証言の検証 「被害者証言の問…

イベント・『南京大虐殺否定論13のウソ』の13年

柏書房から『南京大虐殺否定論13のウソ』が刊行されてから今年で13年目、ということで以下のイベントが開催されるそうです。 『南京大虐殺否定論13のウソ』の13年 2012年12月9日 14:00〜 文京区民センター 2-A会議室 主催:南京への道・史実を守る会 笠原十…

夏淑琴さん来日

東中野修道の『南京虐殺の徹底検証』について、日本の裁判所から「学問研究の成果というに値しないと言って過言ではない」という評価を引き出すことに成功した、南京事件の生存者・被害者遺族である夏淑琴さんが来日されるそうです。関西では2回、証言集会・…