南京事件

「25年の轍:加害、教えると「反日」」について

今年の1月に行なわれた日教組の教研集会で発表された授業実践が右派の攻撃にあった(その一例)ことは記憶に新しいところですが、4月28日の朝日新聞が「「みる・きく・はなす」はいま 25年の轍:1 加害、教えると「反日」」と題する記事でこの件をとりあ…

『 南京大虐殺否定論 13のウソ』、新装版

1999年に柏書房から刊行された『 南京大虐殺否定論 13のウソ』(南京事件調査研究会編著)が、先日 "KASHIWA CLASSICS" の一冊として再発売になりました。 http://www.kashiwashobo.co.jp/cgi-bin/bookisbn.cgi?isbn=978-4-7601-4094-7 定価が上がってしまっ…

「史料読め」コース、3名様ご案内!

id:abu1500 id:hihi01 id:tiro2010kina とりあえず日本語で公刊されているものだけをリストアップ。 洞富雄編、『日中戦争南京大残虐事件資料集 第1巻 極東国際軍事裁判関係資料編』(青木書店) 洞富雄編、『日中戦争南京大残虐事件資料集 第2巻 英文資料編…

箸にも棒にもかからぬ「南京大虐殺は真実ではないと思う理由」

『WiLL』の昨年4月号に掲載された鈴木史朗の「南京大虐殺は真実ではないと思う理由」。一読しておよそ批判にも値しないシロモノだとわかるので放っておいたのだが、昨晩これを「捏造不可能な証拠」だと称して持ち出してきた人がいるので、この際片付けておく…

「目撃者がいない」論の嘘とゴマカシ(追記あり)

河村たかし・名古屋市長が南京事件否定論を展開する際に「目撃者がほとんどいない。(これが)かなり決定的」と述べたことはすでに報道された通りですが、ここには1つの嘘と2つのゴマカシが含まれています。まずは目撃証言以外の証拠によって裏付けられてい…

超拡散をご希望なので、応えましょう

「水間条項の妄言ウオッチ」さん経由で。 超拡散《南京関連本の見極め方》 水間政憲氏といえば、私は旧軍が中国各地に遺棄した毒ガスについてヨタ記事を書いた人として記憶しているのですが、実は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」、南京問題小委員…

言論ゾンビを跋扈させるマスメディア(追記あり)

数日前にブクマをつけていた「「たかじんのそこまで言って委員会」の南京事件検証動画が秀逸すぎる。 | ねとうよ速報」の件。敗訴確定以来引き合いに出されることもめっきり減った―― CiNii の論文検索でヒットするのも2008年10月号の『WiLL』に掲載されたも…

河村発言があぶり出したこと

河村たかしが南京事件否定論者であることについては当ブログで繰り返しとりあげてきたため、先週彼の口から発せられた与太についても驚かなかった(発言した機会についてはさすがに少し驚いたものの)のだが、その後一週間のマスコミ及びネットでの反響によ…

河村市長が百回黒板に書き写すべき言葉

もう5年以上前に書いたエントリからの再掲です。南京攻略戦闘時に海軍パイロットとして空爆に参加し、戦後は航空自衛隊の空将にまでなるとともに保守派(ないし右派)の戦史記者でもあった奥宮正武氏には、『私の見た南京事件』(PHP)という著書があります…

「実際何があったかをファクトを元に」調べずして「あった」と主張できると思うことの不思議さ(追記あり)

17日の「本質主義者、涙目」というエントリのコメント欄で大活躍の ana氏ですが、昨日帰宅した時にはすでに他のみなさんから多数のコメントがついていましたので、私の方はすっかり手を抜かせていたただきました。彼が脳内で勝利宣言しようが痛くも痒くもな…

恩を仇で返す男、河村たかし

すでにコメント欄でもご指摘いただいていますが、よりにもよって南京市と姉妹都市である名古屋市の市長である河村たかしがまたもや「恩を仇で返す」メソッドを発動しました。 CHUNICHI WEB 2012年2月20日 「南京事件なかった」 河村市長、日中討論会提案 名…

まだ続いてた「製作日誌」!

お金を出した人々から「つくるつくる詐欺だ」というこれがあがらないのが不思議なほど公開が遅れている映画『南京の真実』第2部ですが、スタッフブログによればいちおう「今年夏頃の公開を目指し、編集作業を進めております」とのことです。ところで先ほど調…

「池上彰の20世紀を見にいく」の欠番

id:kurakimo さんのはてなハイクから idコールをいただいて知った件。テレビ東京系の BSジャパンに「池上彰の20世紀を見にいく」という番組があり、本放送時には第31回で南京事件をとりあげていたのに、再放送時にはオミットされている、とのことです。た…

クリスチャン・ベイルへの暴行事件の報道からわかること

南京事件を題材にしたチャン・イーモウの映画 The Flowers of War に主演したクリスチャン・ベイルが映画のプロモーションのため訪問した中国で人権活動家と面会しようとした際、治安要員に殴られるという事件が起きています。 CNN.jp, 2012.01.02 Mon, 「「…

「歴史認識の溝」とはなにか?

昨日、今日は野田首相の訪中が予定されていたのですが、およそ一週間前の7日に延期されることが発表されました。 (……) 野田総理大臣は、来週12日と13日の2日間、就任後初めて中国を訪れ、胡錦涛国家主席らと会談する方向で調整していましたが、中国側…

松井石根の“日中親善主義”なるもの

最近は文春新書の新刊のチェックなども怠りがちだったのですが、情報提供をいただいて7月にはこんな駄本が出ていたことを知りました。 早坂隆、『松井石根と南京事件の真実』 古本屋で見かけたら購入するつもりです。立ち読みしてみるまでもなく帯の「昭和史…

Chosun Online の記事が言及している公電について

先日、江蘇省社会科学院歴史研究所が全78巻に及ぶ南京大殺資料集を完結させたという記事が Chosun Online (朝鮮日報)に「「南京で最低30万人殺害」 日本の機密公電収録(上)」「「南京で最低30万人殺害」 日本の機密公電収録(下)」というタイトルで掲載…

「合法/不法」論を超えて

先日言及した西日本新聞の記事には「戦争中の不法殺害(虐殺)の定義には諸説あり」という一節があって、「虐殺=不法殺害」(ないし「虐殺⊆不法殺害」)ということが前提とされている。南京事件を巡る議論の原点に東京裁判があることを考えると「合法か不法…

やっつけ仕事

年末年始にどんな特番が放映されるかを調べていて「ヒストリーチャンネル THE HISTORY CHANNEL JAPAN」のサイトにアクセスしたのだが、トップページに "THIS DAY IN HISTORY" というコンテンツへのリンクがある。「○○年のこの日、こんなことが起こりました」…

第6師団下士官の手帳、発掘

コメント欄でkiriko_mさんからNHKのローカルニュースで報じられたことをご教示いただきましたが、西日本新聞でも報じられておりました。 西日本新聞 2010年12月8日 「南京事件の従軍手帳入手 熊本大教授ら」(魚拓) 1937年の日中戦争で旧日本軍が関わっ…

『新中華報』第420期

「南京事件FAQ」の「毛沢東も事件を知っていた」の項では、『新中華報』が南京での虐殺や性暴力を最初に伝えたのは1938年6月30日の第443期であるようだとされていますが、higeta さんがそれより4ヶ月ほど早い38年2月25日の第420期に載った報道を紹介されてい…

東京裁判判決和文の問題

先日、東京裁判の判決文から南京事件に関する事実認定の一部を引用したが、それに関連して和訳に疑問のある箇所があるのでメモ。 城外の人々は、城内のものよりもややましであつた。南京から二百中國里(約六十六マイル)以内のすべての部落は、だいたい同じ…

よくある言いがかりについて―その2

東京裁判の判決については出典を省略し、秦郁彦氏の『南京事件』(中公新書)、笠原十九司氏の『南京事件』(岩波新書)については書名を省略してページ数のみを示します。

よくある言いがかりについて

先日次のような発言を引用しました。 @optical_frog 南京論争って関わるのアホらしい。だって「どの時期に起きたか」「どこの範囲で起きたか」「戦闘員・非戦闘員合わせて何名死亡したか」「うち国際法上完全アウト〜国際法上グレーの死亡者は何名か」「うち…

これが歴史修正主義的な欲望でなくてなんなの?

大塚 南京虐殺があると思っているんだったら、知識人であるはずの東がなぜそこをスルーするわけ?知識人としてのあなたは、そのことに対するきちんとしたテキストの解釈や、事実の配列をし得る地位や教養やバックボーンを持っているんじゃないの? 東 そんな…

つい最近の歴史を“修正”する言論人

ちなみに当時ぼくに向けられ、いま某ちくま新書でも繰り返されている批判は、「南京虐殺否定論の自由を’守る」という東浩紀の発言が曲解され、結果的に素朴な右翼に悪用される危険もあるのだから言葉を慎むべきだ、というものですが、これはもう単純に言葉狩…

非常識の極限にチャレンジする否定論者

まずはこの↓コメントをご覧ください。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20100327/p2#c1269705638 読者の方々には改めて解説する必要もないことですが、要するに一つの出来事を記述する方法はいろいろあり、異なる論者が同じ出来事を異なる仕方で記述したからと…

否定論者の「はずがない」論法の実例、また一つ(追記あり)

だけど、どうして日本兵はリッグスの胸を痛打する必要があったのでしょうか?その理由が分かりません。これだと、いかにも日本兵だけが悪い様な印象を受けますが、何もしない相手を態々痛打なんてしませんよね? どうも変ですね。もし、答えられるのがあれば…

『ジョン・ラーベ』

先日注文した映画 John Rabe のDVDが思いのほか早く届きました。ドイツ語の台詞を英語字幕で読まねばならないこと、また英語で話される台詞には英語字幕がつかない(聴覚障害者のためのクローズド・キャプションはドイツ語だけで、英語字幕は英語話者向けと…

やっぱり……

マッカラム氏の日記にある「礼儀正しく、しかも尊敬して私どもを処遇してくれました、若干のたいへん愉快な日本人がありました」という記述を「(日本軍は)礼儀正しく、しかも尊敬して私どもを処遇してくれました。若干のたいへん愉快な日本人がありました…