2010-01-01から1年間の記事一覧

「原爆被爆者対策基本問題懇談会」議事録、続報

8月に東京新聞が報じていた「原爆被爆者対策基本問題懇談会」の議事録について、今日の朝日新聞が報じている。 asahi.com 2010年10月25日 「被爆者補償、歯止めありきの議論「財政破綻恐れた」」(魚拓1ページ、2ページ) asahi.com 2010年10月25日 「被爆者…

「教育内容が問題」というのなら……

朝鮮学校への無償化適用問題をめぐっては、「この社会が個別の学校の教育内容にかくも関心を持っていたのか!」と新鮮な驚きを覚えたものですが、せっかくですからその関心を陸上自衛隊小平学校にも向けてもらいたいものです。なにしろ学生は授業料を徴収さ…

「兵士たちの戦争」シリーズ放映予定

10月30日 (土) 午前8時00分〜 BShi 証言記録 兵士たちの戦争 「人間爆弾“桜花” 〜第721海軍航空隊〜」(仮題) 再放送:11月10日(水)午後2時00分〜 BShi http://www.nhk.or.jp/shogen/schedule/heishi_yotei.html 通常このシリーズは月末の土曜日に放映…

「シンドラーとユダヤ人」

「文献」じゃなくてテレビ番組ですが、まあむやみにカテゴリーを増やしても意味がないので。 10月24日(日) 午後10時〜 NHK教育 ETV特集 「シンドラーとユダヤ人〜ホロコーストの時代とその後〜」 シンドラーが救ったユダヤ人たちは、戦後安住の地を求めて…

「貧者の兵器とロボット兵器」

10月15日の朝日新聞(大阪本社)朝刊、「時時刻刻」で、10年目を迎えた*1アメリカのアフガニスタン戦争における「新戦略」がレポートされている。ナンガハル州を担当する軍民混合の「地域復興チーム」の作戦会議でのこと。 この席で、上官がくどいほど兵士た…

あえて邪推してみるなら

田母神閣下をかついだ右派のデモについて、ネットで「日本のマスコミがこれを報じないのはおかしい!」云々と言われだしている件について。 別にマスメディアの中の人々の行動原理についてよく知っているわけではないのだけれど、仮に取材し報道するのに必要…

『卜部日記・富田メモで読む人間・昭和天皇』

2008年の春に出ていた本なのに、先日書店をぶらぶらしていて初めて気がついた。背表紙くらいこれまでも見ていたはずだと思うのだが、昭和史についての関心が時期的にきわめて偏っていることを改めて自覚させられた(^^; 『入江日記』だって古書店で1〜6巻(19…

「龍馬人気」に疑問

昨年の総選挙前に、地元の候補者への「尊敬する人物」というアンケートへの回答をブログのネタにしたことがあったが、そのときにも複数の票を集めていた坂本龍馬。その龍馬人気について10月5日の朝日新聞(大阪本社)朝刊オピニオン欄で野田正彰氏が「龍馬に…

台湾人遺族のケース

少し前に、1992年になってようやく父親の戦傷死を確認することができた韓国人遺族についての報道を紹介しましたが、台湾人遺族についても同様のケースがあったようです。『現代の理論』の08年新春号(Volume14)は巻頭に今村嗣夫弁護士と高橋哲哉氏の対談、…

映画『おみすてになるのですか』

昨日(29日)の朝日新聞夕刊に、民間の戦災傷害者を取りあげたドキュメンタリー映画、『おみすてになるのですか』が10月2日から大阪市十三の第七芸術劇場で上映される、という紹介記事があった。ネット版にはまだ載っていないようなので他をあたってみると、…

『私たちの中のアジアの戦争』

吉沢南、『私たちの中のアジアの戦争 仏領インドシナの「日本人」』、有志社 今年の5月に出た本だが、当初は1986年に朝日選書として刊行されたもの。著者は2001年に亡くなっているので、再刊にあたって加筆されているといったことはない。約四半世紀前の文献…

デヴィッド・アーヴィングの「ヒトラー・ツアー」

実家でとっている毎日新聞で見たニュースですが、ネットではいまのところ日本語の報道を確認できていません。 BBC NEWS, "Holocaust denier Irving in Poland for Hitler tour" Telegraph.co.uk, "David Irving claims Poland should be 'grateful' for his …

『「BC級裁判」を読む』その3

本書では過去にこのブログでとりあげた事例もいくつかとりあげられている。例えば「武士道裁判」について、当時の新聞にも「武士道裁判」という表現が「デカデカと」出ていたけれども裁判の争点との関連は薄く、「私は裁判記録を読んで、中村さん〔中村孝也…

『「BC級裁判」を読む』その2

半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日本経済新聞出版社 この本が日経から出ている(ベースになった連載も日経紙上)というのは少なからぬ意義をもつと思うし広く読まれることを祈りたいが、他方で異論を唱えたいところももちろん…

『BC級裁判」を読む』その1

半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日本経済新聞出版社 21世紀の「進歩的文化人」(by 西尾幹二センセ)トリオと日経新聞の井上亮氏(「富田メモ」報道のひと)によるBC級戦犯裁判論。裁かれた事件の類型ごとに章を分けて(序章…

一週間遅れ

『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の第10話で「刀じゃ効率が悪すぎる。(中略)日本刀の刃は骨に当たれば欠けるし、3、4人も斬ったら役立たずになる」「決めつけが過ぎるよ、平野君。(中略)剣士の技量、刀の出来、そして精神の強固さ、この3つが高い…

マジでわからん

http://synodos.livedoor.biz/archives/1517375.html 以前にも書いたと思うけど、「もし日本政府がだんまりを決め込んでいたらかくかくしかじかという具合にうまく事が運んだ」ってのを誰か説明してくれよ。

『なぜ人はニセ科学を信じるのか』の誤訳

マイクル・シャーマーの『なぜ人はニセ科学を信じるのか』(早川文庫、I・II、原題は Why People Believe Weired Things)は疑似科学批判の入門書としてよく読まれている本で、しかも批判対象の中に歴史修正主義(ホロコースト否定論)が含められているとい…

A級戦犯の合祀手続きについて検討会(追記あり)

毎日jp 2010年9月8日 「原口総務相:A級戦犯の合祀手続き検証へ、省内に検討会」(魚拓) この問題については以前エントリを書いたはず、と思って確認したらちょうど4年前の今日だった。 原口一博総務相は7日、靖国神社にA級戦犯が合祀(ごうし)される過…

東京裁判判決和文の問題

先日、東京裁判の判決文から南京事件に関する事実認定の一部を引用したが、それに関連して和訳に疑問のある箇所があるのでメモ。 城外の人々は、城内のものよりもややましであつた。南京から二百中國里(約六十六マイル)以内のすべての部落は、だいたい同じ…

『海軍反省会』

戸高一成編、『[証言録]海軍反省会』、PHP 参考:http://www.nhk.or.jp/special/onair/090809.html 一般の読者にとって決して読みやすい本ではない。どんなに理路整然と話すように見える(聞こえる)人のはなしでも、それをそのまま活字にすると妙なところ…

五十歩百歩どころではなく

http://togetter.com/li/46923 大学生がぽろっと自分のカンニングについてネットでつぶやいてしまうことと、アカポスもってる研究者(特に人文・社会系の)が公然と歴史修正主義やレイシズムを容認してしまうこととを比較するなら、言うまでもなく後者の方が…

遺棄化学兵器の廃棄、はじまる

asahi.com 2010年9月2日 「旧日本軍遺棄の化学兵器、廃棄始まる 中国・南京」 【南京(中国江蘇省)=奥寺淳】旧日本軍が中国に放置した毒ガスなどの遺棄化学兵器を廃棄する作業が1日、中国江蘇省南京で始まった。中国国内に約40万発あるとされる遺棄化学…

荒舩清十郎の講演?

関東大震災時の朝鮮人虐殺について、国会ではどのような議論がなされてきたかを調べていてたまたま発見。1990年(平成02年)06月01日参議院内閣委員会での発言。

「三国人」発言をめぐって

2000年(平成12年)04月27日参議院外交・防衛委員会でのやりとり。首都圏の防災を考える際に一番の危険因子はほかならぬ都知事閣下であらせられる、という件について。強調は引用者。

“靖国=慰霊の場”論の欺瞞

戦没者のすべてが靖国に合祀されてるわけではないとか、靖国に合祀されているのは戦没者だけではない……といったことは繰り返し指摘されてきたが、ここではかつて自民党が成立を目論んだ靖国神社法案をとりあげることにする。靖国神社の来歴ももちろん重要だ…

『海軍反省会』、読みはじめる

昨年NHKの番組で題材となった(http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090809/p2)「海軍反省会」のうち第1回から第10回までを文字起こしして刊行された『[証言録]海軍反省会』(戸高一成*1編、PHP)を読みはじめた。「反省会」は131回以上行なわれたと推定され*2…

「英霊か犬死にか」ほか

「薔薇、または陽だまりの猫」さん経由で。 テレメンタリー2010 「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判〜」 原告-崎原「戦死した母が命(ミコト)、神として靖国に祀られていたとは。死者に対する最大の冒涜だ!」 原告-安谷屋「たった2歳の弟が球(たま)部隊…

古森義久氏の自爆芸

JBpress 2010.08.25 「日本の謝罪外交を米国人学者が「不毛」と指摘」 どうせ都合のいいところだけつまみ食いしているに決まっているので、ジェニファー・リンド氏の論文にあたってみました。 https://www.foreignaffairs.com/articles/japan/2009-05-01/per…

よくある言いがかりについて―その2

東京裁判の判決については出典を省略し、秦郁彦氏の『南京事件』(中公新書)、笠原十九司氏の『南京事件』(岩波新書)については書名を省略してページ数のみを示します。