2007-01-01から1年間の記事一覧

長勇第32軍参謀長の談話

文部科学省お墨付きの『沖縄戦と民衆』(林博史、大月書店)より。 長参謀長は新聞紙上で次のように住民を煽った。 「ただ軍の指導を理窟なしに素直に受入れ全県民が兵隊になることだ。即ち一人一〇殺の闘魂をもって敵を撃破するのだ」、「従って戦場に不要…

「鉄血勤皇隊」などの資格について(追記あり)

こちらのエントリのコメント欄でのご質問&情報提供を受けて。『沖縄一中 鉄血勤皇隊の記録―証言・沖縄戦』(兼城一、高文研)には鉄血勤皇隊の隊員が「軍人か、軍属か」ということにつき国会でも議論になった、とあったので議事録を調べてみました。 昭和30…

「沖縄戦についての質問と議論」掲示板

http://tree.atbbs.jp/pipopipo/index.php?mode=treepippoさんのご提供です。「実証的な議論をする場」ですが「お気軽にどうぞ」とのことでもありますので。

『南京の真実』第一部「七人の『死刑囚』」試写会延期

コメント欄にてグリフィンさんが報告してくださった件ですが、12月14日に予定されていた『南京の真実』第一部の試写会が延期になったとのことです。 http://www.nankinnoshinjitsu.com/blog/2007/11/post_8.html ま、11月の始めに試写会の予定が告知された時…

お花畑

まあ「人権」とか「おまえが言うか?」というのは封印するとして… asahi.com 2007年11月28日 「徴兵制あってしかるべき」 東国原知事が持論展開 宮崎県の東国原英夫知事は28日、宮崎市の知事公舎であった若手建設業者らとの懇談会で「徴兵制があってしかる…

「英オックスフォード大の討論会にホロコースト否定学者が参加」

一昨日のニュースだが。 【11月27日 AFP】 英国の名門大学オックスフォード大学(Oxford University)は26日、ナチスドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を否定する歴史学者と右翼政治家が参加予定となっている討論会を前に、物々しい警戒態勢に包ま…

雑感

池田信夫氏が“追い詰められると知的誠実さなどかなぐり捨てる”人物であることは、すでに慰安婦問題をめぐる主張の「なし崩し的変化」(十条さんのまとめ)によって明らかになっていたわけだが、今回も悲惨としか言いようがないふるまい。なんなんだろうなぁ…

「"tell"だから命令じゃない」論を駁す

最近しばしば見かけるのが、『沖縄タイムス』が報道した米文書には林博史氏の「恣意的な翻訳」がある、という主張です。問題の米文書についての林氏の解説についてはこちら。これに対する右派の攻撃については(とりあえず目についたところということで)こ…

はてなキーワード「集団自決」について関心と情報をお持ちの方はid:buyobuyoさんにご協力を

id:buyobuyoさんがはてなキーワードの「集団自決」について編集作業を始められるそうです。情報提供をということでご指名いただいたのですが、正直なところ沖縄戦については勉強不足で、エントリを書くのに必要な範囲でその都度調べものをしているというのが…

メモ

OSのアップデートはおおむね順調にいったものの、RSSリーダーとブラウザの具合がいま一つで、他ブログのチェックを怠りがちな今日この頃ですが、気がついた範囲で重要と思われるものを。 id:noharaさん経由で、マガジン9条〜この人に聞きたい『林博史さんに…

『旅順と南京』

一ノ瀬俊也、『旅順と南京 日中五十年戦争の起源』、文春新書 コメント欄でご教示いただいたので書店に出かけて購入・読了。基本的には面白い本ではあります。目玉は著者が発掘した、日清戦争当時の第2軍所属のある軍夫の挿絵入り日記の紹介。日清戦争におい…

朝日新聞で小特集(追記あり)

朝日新聞の11月24日朝刊に「発生から70年 南京事件とは」と題して小特集。今日から南京で行なわれているという国際シンポジウムの話題をマクラに、まあ無難なまとめ。小見出しは「なぜ南京だったのか」「なぜ起きたのか」「犠牲者数なぜ違う」「時間順にたど…

嗤うべき脇の甘さ

こちらですが。 原告は「二人」なので、「原告の一人は」というのが正確なところ。「そそのかされた」「政治戦術」という語法も、ちょっと表現が立ちすぎている言い回しなので、ぼくは回避するところですが、まぁそれはそれとして。 (強調原文) ふ〜ん…。…

嗤うべき稚拙な誘導

ここのトップに表示されてる「投票」ですが。設問と選択肢は以下の通り。 南京陥落から70年。南京大虐殺は有ったのか?無かったのか?人数は? 1.無かった。日本軍による南京市民虐殺は0人。1万人以上の支那兵を捕虜として保護。便衣兵を正確に摘出して処…

西本願寺と戦争責任

11月18日「朝日新聞」夕刊(大阪)、「西本願寺 戦争責任にけじめ」 全国約1万寺、門信徒約700万人。伝統仏教の最大教団、浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市下京区)が動いている。9月には、宗派の最高法規「宗制」を改正。戦争協力を促した前…

古森記者、陰謀論を叱る。

ステージ風発 「小沢一郎氏の辞意表明はアメリカの謀略?!――陰謀説を嗤う」いや今回はなかなかよいことをおっしゃってますよ(笑)。 アメリカで起きた出来事の背景がアメリカでは当事者の周辺でいくら取材してもわからないのに、遥か太平洋の彼方の東京では…

メモ

山形浩生が1997年に書いた文章に次のような一節がある。 蛇足ながら小林よしのりは、こういう低級な書物を引用すると『ゴーマニズム宣言』でせっかくきちんと展開している従軍慰安婦論争の足を引っ張るおそれがあるので、注意したほうがいい。保守反動右翼だ…

『証言 南京事件と三光作戦』

森山康平著、太平洋戦争研究会編、『南京事件と三光作戦』、河出文庫 以前に紹介した『知られざる証言者たち 兵士の告白』同様、もともと『週刊アサヒ芸能』に連載され、その後新人物往来社から『証言記録 三光作戦――南京虐殺から満州国崩壊まで』として単行…

コメント欄について

10月あたまに引いた風邪がなかなか治り切りません。どうも涼しいのか涼しくないのかはっきりしない気候のせいで服や寝具の選び方も迷うところ…。 さて、ソースと言えばWikipediaしかなく、しかもそのWikipediaの記述さえ読みこなせていない半端者のためにい…

映画『南京の真実』は3部作?

コメント欄でご教示いただいたのですが、「チャンネル桜」のHPにアップされた情報によれば、『南京の真実』は3部作になるとのこと!! 【 映画「南京の真実 第一部 ・ 七人の死刑囚」 完成試写会 】 南京攻略戦に際しての「虐殺」のかどで裁かれた老将・松井…

夏淑琴さん損害賠償請求訴訟、原告勝訴(追記あり)

コメント欄でグリフィンさんからもご指摘がありましたが、東中野修道の著書において偽証言者であるとされ名誉を傷つけられたとして、南京事件の生存者が著者と出版社(展転社)に損害賠償を請求していた訴訟において、原告勝訴の一審判決が出ました。 (追記…

「反転可能性」について

さて「反転可能性」要請というのは、その反転の可能性を誠実に想像してみるのでなければ正義の原理として機能しない*1。反転が現実にしばしば起きるような場合には、人々はいやでも誠実に他者の視点をシミュレートするだろうが、「官邸のチェック」によって…

亀田スタイル

on subjectivity on objectivity 沖縄戦は事実上日本の領土内で行なわれた唯一*1の地上戦であり、民間人に限定しても当時の沖縄県民の5分の1ほどが死亡したとされているわけである。他のいかなる都道府県も、広島県や長崎県でさえ、これほどの比率で非戦闘員…

これはすごい!

なにがすごいって、例の「心の狭い学究」氏の新しいエントリですが。あれほどまでに自分の読者を見くびってるとは! まあ、「バカにする」というかたちでの「信頼」というのも世の中にはあるんでしょう。そのあたりについてはまた稿を改めるとして、とりあえ…

『敗北の文化』

ヴォルフガング・シヴェルブシュ、『敗北の文化 敗戦トラウマ・回復・再生』、法政大学出版局 いやまだ買っただけで読めてないんですが。ドイツ語原著の第2版と同年に出版された英訳版を底本にした邦訳で、英訳からの翻訳を勧めたのは原著者だとのこと(「訳…

屈折した自虐

朝日新聞夕刊に連載されている「新聞と戦争」シリーズは先週月曜日、15日から「表現者たち」と題する章が始まっており、後に『麦と兵隊』で人気を博すことになる火野葦平が占領間もない杭州で芥川賞を授与される場面(授与のために日本から杭州へ行ったのが…

時野谷本と坪井流史料分類法

先日から紹介している『家永教科書裁判と南京事件 文部省担当者は証言する』ですが、いやぁ本というのは買ってみるものですなぁ。なにに行き当たるかわかったものじゃない。 bat99さんが紹介しておられる江口圭一、『十五年戦争研究史論』での教科書検定にま…

ホドロフスキさんによる『京都師団関係資料集』紹介

すでにご存知の方が多いとは思いますが、ホドロフスキさんが「南京陥落後一週間企画」と題して、南京戦従軍将兵の日記から1937年12月13日〜19日の部分を紹介しておられます。出典は『南京事件 京都師団関係資料集』(青木書店)。

補給艦の航泊日誌、誤って? 破棄

asahi.com 2007年10月16日 防衛省、補給艦の航泊日誌「誤って破棄」 防衛省は16日午前、民主党の外務防衛部門会議で、インド洋で給油活動をしていた海上自衛隊の補給艦「とわだ」の03年7〜11月の航泊日誌について「今年7月に誤って破棄した」と説明…

『久生十蘭「従軍日記」』

作家久生十蘭の日記が講談社より出版されているのを発見、さっそく購入(翻刻=小林真二、解説=橋本治)。三一書房の全集買ったけどろくに読んでないなぁ…と反省しつつ。 昭和18年に海軍報道班員としてインドネシアやニューギニアなどに派遣された時の日記…