2007-01-01から1年間の記事一覧

『ヒバクシャの心の傷を追って』

First Into Nagasakiのレビューが途中で中断してそれっきりになっているあいだに邦訳が出てしまいました。 ジョージ・ウェラー、『GHQが封印した幻の潜入ルポ ナガサキ昭和20年夏』、毎日新聞社 今回購入したのはこちら。 中澤正夫、『ヒバクシャの心の傷を…

第二次不二越訴訟

こちらはほとんど「定番」となった感がある判決。 CHUNICHI Web 2007年9月19日 強制労働認定、請求は棄却 不二越2次訴訟で富山地裁 第2次大戦中、朝鮮半島から強制連行され、富山市の機械メーカー不二越の軍需工場で強制労働させられたとして、韓国の元女…

ポル・ポト派元幹部逮捕

asahi.com 2007年09月19日 ヌオン・チア元議長を拘束 ポル・ポト派特別法廷 70年代のカンボジアで国民の大虐殺に関与したポル・ポト政権の元幹部らを裁く特別法廷の係官らが19日、ヌオン・チア元人民代表議会議長(81)の身柄を同国西部パイリンの自宅…

「「南京」検定も国主導」? 沖縄タイムスの報道より

こちらのエントリのコメント欄でfelis_azuriさんからご教示いただいた情報です。 沖縄タイムス 2007年9月18日(火) 朝刊 1・25面 「南京」検定も国主導/職員、反証文献出版にお礼 「官僚中心」以前から/関係者が証言 旧日本軍の文書などを基に…

『南京の真実』は「アイリス・チャン他殺説」?

『正論』で連載が始まった「製作日誌」に、水島監督らがアイリス・チャンの墓を訪れたという記述があったので??と思っていたのだが、こんな事情だったとは…。 映画は「レイプ・オブ・南京」の著者アイリス・チャンは本当に自殺なのかという視点をスタート…

映画 Nanking の観客動員

テッド・レオンシス他製作、ビル・グッテンタグ監督の映画 Nanking について、『正論』10月号の「映画「南京の真実」製作日誌 水島総」はおおよそ次のようなことを述べています。中国のいくつかの都市で公開された Nanking の観客動員が5万人であったと7月半…

いい大人の“情報戦ごっこ”

Sankei Web 2007/09/15 「論説 【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂 歴史問題でも情報戦に後れ」 10年前、安倍氏や中川昭一氏ら当時の若手国会議員が中心になってつくった自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は今年、南京事件をめぐる歴…

空疎なレッテル、「反米」

今日も古森義久氏からお題をちょうだいします。「小沢一郎氏の恐るべき変節ぶりーーー米国との安保協力について小沢氏はかつて何を主張したか。」 なんというか、仮にも全国紙の論説委員がここまで底の浅い文章を書くというのはすごいですね。以下、具体的に…

朝日新聞「新聞と戦争」

朝日新聞夕刊で連載されている「新聞と戦争」、現在は「社論の転換」と題して朝日新聞が戦争協力へと傾斜していった経緯が描かれている。アジア・太平洋戦争における日本軍の行動を批判的に論評すると怒るくせに、なぜか朝日新聞の戦争責任を指摘することは…

今日の収穫

古書店というのはなるべく近所に固まってあった方がありがたいもので、ネットで戦史・戦記を扱っている古書店を調べていたら、ちょくちょくいく店のすぐ近くにさらに3軒あることを発見。おかげでいろいろと収穫がありました。ちなみに瀬島龍三の分厚い回想記…

トンデモ歴史豆知識に感心してしまう古森義久氏

「ステージ風発」の「朝日新聞の夕刊コラムが死者にツバかける」コメント欄より。 2007/09/10 11:00 Commented by aqua2020 さん 古森義久様: こんにちは 朝日新聞に、瀬島龍三氏をとやかく言う資格はありません。06年の8月だったか、朝日の社説に「満州で…

「否定論の「性暴力」観」補足

「旧日本軍を免罪・擁護するために、現代を生きる自分の物差しを無批判に70年前に当てはめる」と言えば、先日問題にしたnekoyama氏の「強姦多発」否定論もそうです。このエントリのコメント欄でN・Bさんと私が婉曲なやりとりをしていますが、何が「あまりに…

そのクリーシェはもう聞き飽きた

「Stiffmuscleの日記」さんの「夢のコラボ 秦郁彦氏と古森義久氏の対談」より。論壇の『ムー』こと『WiLL』10月号における、「バターン死の行進」についての秦郁彦の発言。 (…)もっとも「なぜ捕虜を車に乗せなかったんだ」と非難されても、護衛の日本兵も…

『フーコン戦記』(追記あり)

古森義久氏が肝心の『フーコン戦記』を読まずにその引用を批判していることがミエミエだったので、買ってきた。 古山高麗雄、『フーコン戦記 戦争文学三部作』、文春文庫 初出が1997年の『文學界』6月号〜99年3月号、単行本が99年11月、03年に文庫化されてい…

「死者への敬意」は批判封じのための道具じゃない

古森義久氏の「朝日新聞の夕刊コラムが死者にツバかけるーーー故瀬島龍三氏を「あいつ」「てめえ」と 」というエントリを読んであきれかえり、宮本顕治元共産党委員長が死去した時の産経の報道を再チェック…と思ったら、すでに「黙然日記」のpr3さんがツッコ…

その後の戸井田とおるセンセイ

今度は旧日本軍の遺棄化学兵器についてご発言です。 日本政府は、遺棄兵器被害補償裁判では遺棄したとも遺棄していないとも断定しておりません。シベリア資料館にある武装解除の史料「引継書」を確認する必要があると思います。 被告たる日本政府が一審では…

この脊髄反射はいったい何なんだろう…?

仕事の方がちょっと一段落ついたので、ようやく更新できます。 光人社NF文庫の『玉砕ビアク島 “学ばざる軍隊”帝国陸軍の戦争』(田村洋三)を読んでいると、ビアク戦の理解のための手助けとして「ニューギニア戦の概略」をまず紹介する、として次のような一…

兵士たちはなんと言い残して亡くなっていったのか

旧軍将兵の従軍記、回想記などには(士官学校出の正規将校のものはちょっと別として)しばしば、「天皇陛下万歳! と言って死んでいった兵士などいない」といった趣旨のことが書いてあります(この夏にNHK BSHiで放送された「兵士たちの戦争」シリーズでもそ…

「戦後62年目の戦争遺構ウオッチング」

このエントリのコメント欄で告知いただいたので転記いたします。 戦争遺構研究会 『戦争遺構の保存よりもっとやることがあるだろうと考える人は多いのですが、貴重な戦争遺構、大阪市東淀川の高射砲陣地の遺構の保全再生を要望しています。かけがえのない戦…

関東大震災時における虐殺事件について

厳密に言えばこの別館の守備範囲からははずれるのですが、ここでふだん扱っている問題に通じるところ多なので。先日みすず書房の『現代史資料6 関東大震災と朝鮮人』を古書店で安く手に入れることができましたから、今後も機会があればご紹介したいと思いま…

二重基準

「さるおかた」さんのスレッド128での最初の投稿に、次のような一節があります。 なぜあなたは「無かった」という証言があるにもかかわらず 自分で確かめもしていない「有った」という証言を信じるのですか? これも奇怪至極なはなしで、「さるおかた」さん…

「シベリア抑留なんて知らない」と言い張る否定論者(追記あり)

8月30日に「南京の真実 情報交換掲示板」のスレッド128に投稿したものの、現時点(9月1日午前7時36分)でまだ公開されていない私のコメントです(その後、10時58分に確認したところ公開されていました)。 >シベリア?何ですかそれは? >ホロコースト?そん…

否定論の「性暴力」観

先日、水島聡氏の軍慰安所に関する実に斬新な見解を紹介しました。 それぞれ二時間以上のロングインタビューとなったが、私は意識的に慰安婦の問題を具体的に聞いてみた。南京大虐殺肯定派の人々は、虐殺だけではなく、二万人から八万人の日本軍の強姦を主張…

8月28日付けエントリ用コメントはこちらへどうぞ

8月28日分のコメント欄が容量限界に達したようです。

『グアムと日本人』

先日買った『グアムと日本人』(山口誠、岩波新書)を読了。分野としてはツーリズム・スタディーズと言ってよいのだろう。この手の研究はディテールにこそ意味があると思うのだけれどそこは素人の特権でざっくり大くくりすると、「60年代にハワイをモデルと…

その後の「南京の真実 情報交換掲示板」

今回もまた「さるおかた」さんは物凄いことを言い出しています。また2日ばかり待たないと投稿が公開されないと思うので、こちらに私のコメントをコピペしておきます。実際にはこれをいくつかに分割して投稿しました。 私が前回コメントを投稿したのは 「2007…

『ゆきゆきて、神軍』(追記あり)

奥崎謙三宅が取り壊されたから…というわけでもないだろうが、『ゆきゆきて神軍』(監督:原一男、1987年、日本)のDVDが再発売された。 この映画が最初に話題になった当時にももちろんニューギニア戦線の悲惨さについて一通りのことは知っていたし、例えば人…

『ガイサンシーとその姉妹たち』(上映会)、『ヒロシマナガサキ』、『二重被爆』(TV)

「文献紹介」というタグは妙だけれどもふだん映画については本館で書くことにしているので。 『ガイサンシーとその姉妹たち』 監督:班忠義 2007年、日中? 『ヒロシマナガサキ』 監督:スティーヴン・オカザキ 2007年、アメリカ 『二重被爆』 監督:青木亮 …

朝日新聞、「南京事件、日中双方で議論再燃 今年70周年」

「南京の真実」スタッフブログで、水島聡氏のコメントが朝日新聞に掲載されたことを知りました。8月23日付け朝刊、「南京事件、日中双方で議論再燃 今年70周年」という記事です。 引用されている水島社長のコメントは「取材を重ねるたびに民間人や住民への…

ある極限例

映画「南京の真実」サイトの「情報交換掲示板」において「さるおかた」というやんごとなきハンドルの方から名指しで返答を求められたのですが(スレッドNo.128)、なにぶん「南京大虐殺に関する中国側の主張をおまえは認めるのか、それとも嘘っぱちだと認め…