2006-01-01から1年間の記事一覧

コメント補完

たけぞーさんとおっしゃる方のブログにコメントさせていただきお返事も頂戴したのですが、その後コメントが書き込めなくなっています。私の「ご意見」をお尋ねだったのでお返事させていただき、その後投稿したコメントが表示されない旨コメントしたのですが…

江口圭一、「上海戦と南京進撃戦―南京大虐殺の序章」

古書店で入手した『南京大虐殺の研究』(洞富雄・藤原彰・本多勝一編、晩聲社)に所収。江口氏の南京事件についての論考を読むのは初めて。 このエントリで紹介したNHKスペシャル「日中戦争〜なぜ戦争は拡大したのか〜」を観ていてちょっと不可解だったのは…

東潮ライブラリィ、「史実記録」シリーズ

映画を観にいったついでに寄った古本屋での収穫。東潮社刊、坂邦康編著、東潮ライブラリィ「史実記録 戦争裁判○○法廷」シリーズの4冊を入手。昭和42年から43年にかけて刊行された新書サイズの本である。表紙はご覧の通り。 裏表紙には「ミゾリィ艦上の降伏文…

雑感

加速度的に「どうでもよい」度合いを高めておりますが…まあ、なにしろ相手が南京事件(ホロコースト)否定論に正面切ってコミットする根性はないけど否定論を密かに応援しよう、という性根の人ですから不思議はないですが。 まぁあまり昔(といってもここ1…

歴史的事実へのコミットメント

「中国語がわからないと…」とか「ドイツ語がわからないと…」といったことをこの人が言い出すのは別に今回が初めてじゃないんですが、この種の言い訳のおかしなところは「中国語(ドイツ語)がわかる」にも程度問題があるし、「南京事件(ホロコースト)につ…

本当の争点は何か

このエントリの主題からはずれるけど南京事件に関してはより本質的な点についてまず。そもそもティンパリーと国民党のつながりを云々…というのは南京事件否定論者がどれだけ追いつめられてるか、の証左なんですな。なにしろティンパリーは南京事件当時南京に…

こりゃ便利な方法だ

やはり中国語がわからないと「南京大虐殺」について語るのは難しいだろうと思った件 私はロシア語が読めないので(いや昔ちょっと勉強しようと思って辞書だけはいいのを買ったんだけど(w )シベリア抑留について語るのは難しいだろうし、アラビア語(スーダ…

フィリピン・ミンダナオ島での生体解剖

mixiの「mixiニュース」で見つけた毎日新聞の報道なのだが、いま現在MSN毎日インタラクティブには掲載されていないようで、mixi以外のオンラインソースを確認次第追記する。 <生体解剖>フィリピンでも 大戦末期 元衛生兵が証言 (毎日新聞 - 10月19日 03:21)…

従軍慰安夫

吉田裕の『現代歴史学と戦争責任』(青木書店)を読んでいたら、田中利幸の「なぜ米軍は従軍慰安婦問題を無視したのか」(上・下、『世界』、1996年10月、11月号)が紹介されていた。 また、田中は別の論考のなかで、第二次世界大戦中の米軍の「管理売春」制…

大江志乃夫、『日本の参謀本部』、中公新書

この本は昨年買って読みはじめたところで、電車のなかに置き忘れてなくしてしまった…という経緯があり、なにしろ700番台の新書なのでなかなか店頭で見つけられず、普段の習慣に反して通販で買ってようやく読み終えた。 いまさら紹介するまでもない名著なので…

『徹底検証◎昭和天皇「独白録」』

『近代とホロコースト』についてのエントリがちっとも進展しないではないか、とお怒りの読者が(少なくとも)約一名おられると思うのだが、その一名には別件で些少ながら貸しをつくっているのでご容赦いただくことにして、またしても寄り道エントリ。 1990年…

奥宮正武、『私の見た南京事件』、PHP

以前からさがしていたのだが、1997年刊行というのにすでに古書でしか手に入らなくなっているので、ちょっと時間がかかった。 実のところ、奥宮氏自身の見聞が綴られているのは第一章「私の支那事変参戦記」のみで、第三章、第四章ではハーグ陸戦規則やジュネ…

一兵士が写した戦場の記録

dempaxさんからご教示いただいた、『新版 私の従軍中国戦線 村瀬守保写真集 <一兵士が写した戦場の記録>』(機関紙出版)を購入しました。村瀬氏は従軍カメラマンではなく、趣味のカメラをもって出征し中隊の記念写真を撮っているうちに、半ば公認の「中隊…

「国内法的には戦争犯罪人ではない」って…

この記事などが伝える安倍晋三の国会答弁。そりゃあ「戦争犯罪」ってのが(ハーグ条約、ジュネーヴ条約などをはじめとする)国際条約への違反のことを意味しているなら、そもそも「国内法的な戦争犯罪」なんて存在しないでしょ。まあ「戦争」を取っ払って「…

昨日のエントリに補足

旧日本軍(大日本帝国)の否定的な側面、という場合に「悪かった」ということと「駄目だった」ということを分けることができる(宮台真司による)。二つの側面は互いに無関係ではなく、例えば南京事件は国際社会に報道され、アメリカの対日世論を悪化させた…

「身内」の罪

今朝の朝日新聞朝刊国際面に、トルコのEU加盟をめぐる記事が掲載されている。フランスのシラク大統領が「アルメニア人に対する民族虐殺を認めること」をEU加盟の条件として考えていると発言した、とされている。トルコに対しては先日ドイツのメルケル首相も…

「自虐一色に染まる」っていったいなんのことなのか、意味が分からない

noharaさんの9月29日付エントリを青狐さん経由で今日読んで、少しコメントさせていただいたのだが、それとは別の件について。そのエントリで言及されているnoharaさんの05年7月24日のエントリへのコメント。 (前略) 最近「あの当時の戦争を」議論している…

「もしも」のはなし

bat99さんの「bat99の日記」より。 横浜裁判に限らず、BC級戦犯裁判全体について色々と問題はあったことは事実だと思う。だが、裁判などせず日本人に直接復讐したいと思った人間は数多くいた。裁判という形式を取り無秩序な復讐を良しとしなかったことは評価…

安倍首相の答弁を擁護してみよう

くさすばかりでは芸がないのでたまには擁護してみようかな、と。 A級戦犯の戦争責任、政府断定は不適当…首相答弁 安倍首相は2日午後の衆院本会議で、首相就任後初の各党代表質問に対する答弁を行った。 首相は、昭和戦争に関するA級戦犯の戦争責任につい…

『不許可写真 1・2』(毎日新聞社)

このエントリへのコメント欄でいろいろと情報を提供していただいた件。図書館に『シリーズ20世紀の記憶 不許可写真 1・2』があったので借りてきました。ざっと観た限り、もちろん現代史の通説をひっくり返すような写真が掲載されているわけではないが(そん…

読了

『逆説の軍隊』(戸部良一、『日本の近代9』、中央公論社)を読了。 上のエントリにいろいろとコメント頂戴しているトピックについてだが、第一次世界大戦の戦訓をふまえて歩兵操典を改正する動きもあったとのこと。そこでは「精神力を過大に重視する従来の…

歩兵操典

日露戦争後の1909年に日本陸軍が歩兵操典を改訂し、銃剣突撃の重要性が強調されたことについてはこれまでも何度か言及してきた。これは日露戦争で日本軍が火力不足を露呈し、それを精神力で補おうとしたからだ、と説明されることが多いようである。しかし『…

招魂社でアーメン

『近代とホロコースト』との関連で『逆説の軍隊』(戸部良一、『日本の近代9』、中央公論社)を読んでいるのだが*1、ちょっと考えさせられるエピソードが紹介されている。 明治政府が当初フランスの軍制をモデルに陸軍を整備した(海軍はイギリスがモデル)…

『近代とホロコースト』(1)

※ジークムント・バウマン、『近代とホロコースト』、大月書店(森田典正訳) 1989年の刊行ながらホロコースト研究の「古典」とも評されるバウマンの代表作の邦訳が刊行されことをN・Bさんに知らせていただいたのでさっそく購入。バウマンは1925年、ポーラン…

テレビ朝日「報道ステーション」9月28日、「初公開! 焼却を免れた7万枚 検閲“掲載不可”写真の真実」

いままでなにしてたんだよ、と言いたくもなるが、ともあれ貴重な史料には違いない(特に撮影日時、場所などのデータが残っているもの)。写真集にして出版して欲しいなぁ、現代史家の解説つきで。というか、すべきでしょう。 ちなみに、南京事件については、…

白井洋子、『ベトナム戦争のアメリカ ―もう一つのアメリカ史―』、刀水書房

植民地時代のアメリカ史を専門とする研究者によるベトナム戦争論。第1章、第2章でまずヴェトナム戦争の経過が描かれる。北緯17度線は「いかなる意味でも恒久的なものとは見なされない」というジュネーヴ協定を無視して(アメリカは調印しなかった)「南ヴェ…

1945年のヴェトナム反戦運動

現在半分ほどまで読み進んでいる『ベトナム戦争のアメリカ』(白井洋子、刀水書房)で紹介されているはなし。 アメリカではヴェトナム戦争が「いつ始まったか」に関して諸説があるが、その一つに「1945年から」というものがある。なぜかと言えば、1945年10月…

ムシャラフ・パキスタン大統領、衝撃発言?

シンクロニシティーを感じてしまうが… 「石器時代に戻す」と脅迫された パキスタン大統領 【ワシントン=有元隆志】訪米中のパキスタンのムシャラフ大統領は21日の米CBSテレビのインタビューで、2001年9月の米中枢同時テロ後にパキスタンを訪れた…

馬渕直城、『わたしが見たポル・ポト キリングフィールズを駆けぬけた青春』、集英社

今どき、クメール・ルージュへの共感をこれほど明確にした本が出る、というのはかえって新鮮。といっても、本書のベトナムに関する記述からもわかるように、「革命」ではなく「クメール(人)」への思い入れが著者の原動力であるようだ。たしかに、善玉・悪…

河村たかしメソッド

# 教えてください 『終戦直後の南京には武装解除された日本兵が各地から集められ、順次日本へ送り返されたそうです。 一時期は一万人以上の日本兵が一ヶ月間ほど滞在し、南京市内に限り自由に歩き回ることが許されていたそうです。 しかし、その間に南京市民…